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2021年9月29日 (水)

『満つる月の如し 仏師・定朝』読了

(借.新宿区立図書館)
仏師定朝の平等院鳳凰堂阿弥陀像にいたる造像活動と皇女殺人事件を組み合わせて長編小説としたもの。殺人事件の犯人と名乗り出た僧を比叡山の学僧で朝廷でも重んじられたとして造形。ただその劉範の心理さらに定朝の心理の描き方がちょっと甘いように感じられた。最後の方の皇女殺人と犯人として名乗り出る部分の必然性に少々無理がある。そもそも尊容満月の如しと評された阿弥陀像が、小説で描かれた中務のはかなげな風情と合わないと思う。芥川の「地獄変」的な芸術至上主義を織り込んだりした部分も少々設定に無理がある。そして全体的に冗長(定朝だけになどとシャレを言っている場合ではないが)。悪い作品ではないと思うがいまいちピンとこないというのがこの作者の作品(特に直木賞作品を含む長篇)に共通する印象。

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2021年9月27日 (月)

『稗田のモノ語り 魔障ヶ岳 妖怪ハンター』、『妖怪ハンター 稗田の生徒たち 1』読了

妖怪ハンターシリーズ全体として日本の神話伝説昔話をテーマにしたものだが、日本神話とかをテーマにした大きな話の方が面白いようだ。「生徒たち」のテーマは作者の創作部分が主体なのかな?私にはイマイチ。

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2021年9月26日 (日)

『日本の私鉄』読了

初版1981年ということで1987年の国鉄民営化以前に書かれたもの。当然最近40年の状況は書かれていないが、逆に戦前などの私鉄の状況はコンパクトにまとめられている。全国的な状況(植民地は除く)を知るには良い本だと思う。

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2021年9月25日 (土)

『妖怪ハンター 2 天の巻』・『妖怪ハンター 3 水の巻』読了

2巻での「天孫降臨」など、やはり長めの物の方が面白いようだ。

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2021年9月24日 (金)

『高慢と偏見(上)』新訳で読了

(kindle unlimited利用)
この作品は好きで何種類も訳本で読んだ。今となっては時代背景を考えないと男女関係など含め難しいところがあるが、基本の人間関係などは今でも通用すると思う。本家の英国でも映画化されるなど人気がある。
さて、この新訳だが、ちょっと全体の雰囲気を壊すような部分が気になる。たとえば姉のジェインなどが妹のエリザベスに呼び掛けるときに使われる「リジーちゃん」という表現は全体の流れの中で浮いてしまっていると思う。原作では”my dear Lizzie(あるいはsister)"だがこれをご丁寧にしかも「ちゃん」訳す感覚はわからない。『戦争と平和』でもそういう面は見受けられたが、どうもこの新訳は私とは相性が悪いようだ。当然unlimitedでない下巻は読まない。続きは一番よさそうな岩波文庫の富田彬訳で読んでみよう。(この作品を読むのはこれで何度目だろう)

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2021年9月23日 (木)

『【全1-8セット】虹色のトロツキー』読了

日中戦争~ノモンハンの時期を見事に描き切ったマンガ。日蒙混血の青年の眼で謀略の渦巻く日・満軍中心に、時代に翻弄される人々を描く。これは傑作といってよいのでは。

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『妖怪ハンター 地の巻』読了

民俗学・宗教学・考古学を混ぜた恐怖マンガ。一部1980~90年代の作品を含むが、確かにちょっと懐かしい1970年代の香がする。
しかし文庫版はちょっと年寄りには読みにくい。続編を買うとすれば電子書籍版か。

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2021年9月21日 (火)

『4コマ漫画で読む 湖南市の史跡と伝説』読了

かなりローカルな地元紹介漫画。湖南三山は何とか名前ぐらいは聞いているけど他は初めて聞いたところばかり。まあ行く機会があれば参考にさせてもらおう。

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『諸星大二郎 デビュー50周年記念 トリビュート』読了

諸星大二郎、実は先日「マッドメン」を読んだぐらいでよくわかっていない。だからこの本を読んだもの。いろいろな作家たちのトリビュート作品の作り方が面白い。諸星作品もいくつか読んでみようかと思う。

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2021年9月20日 (月)

『千霊一霊物語』読了

(Kindle Unlimited利用)
大デュマの作品にしては面白さ(AMUSING)が足りないような。幻想怪奇譚なのだがキリスト教味あるいは王政回顧味が多すぎるからだろうか。まあ、デュマがこういうのも書いているという興味で読むのはありだろう。
なお、解説でデュマが「貴族を愛する共和主義者」だとするのは興味深い。

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2021年9月18日 (土)

『看取り医 独庵』読了

啓文堂府中本店にて御書印をもらいに行った時、店の推薦ということで購入したもの。帯には「啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位」と書かれている。著者は現役のお医者さんとのこと。
まあ、旅行時など駅で軽い読み物を買い列車内で読んで読み捨てにする(あるいはB.O.に売ってしまう)レベルの話だと思う。そういう本を否定するつもりはないし一時の娯楽としてはありだとは思う。しかし「啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位」はどうなのだろう。啓文堂さん大丈夫?と言いたくなる。しかもそのせいかすでに3刷までいっているという。啓文堂さんの書店としての見識が疑われかねない。それとも何か特別なコネとかがあるのだろうか?
ちなみにこの看取り医は看取りはしていません。人斬りはしているけど。

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2021年9月17日 (金)

『日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る』読了

(借.新宿区立図書館)
3つの歴史的謎を工学的見地から論じたもの。いろいろと細かい計算を積み重ねて歴史を違う面から解き明かそうとしている。確かにそういう面から飲み方も必要だろう。現状での問題点としては前提となる根拠部分の歴史的理解が不足していると思われること。たとえば大返しで、人の歩行速度の基準を4km/時と考えているが、それは現代人で当時の人たちはもっと早かったはず。江戸期の旅人でも急ぎであれば一日40キロぐらいは歩けたようだ。その辺からちゃんと歴史的知識を確認して行かないと論だけが浮いてしまう。面白い見かたではあるが今のところ独善的部分が多いといえるだろう。あと、日本史サイエンスという題は大げさすぎだと思う。
一般的に理系の人が歴史関係を語ると歴史知識不足のためちょっとおかしなことになりがち。一方歴史関係の人は理系にはあまり興味がない。その辺をうまく関連付けられるようにすればもう少し研究は進むと思うのだが。

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2021年9月16日 (木)

『コサック~1852年のコーカサス物語~』読了

(Kindle Unlimited利用)
トルストイ前期のコーカサス(露名カフカス)を舞台にした小説。小説としてはいまいち全体の統一が取れていないような気もする。最後は一気にむりやりまとめてしまった感も。それはそれとして「コサック」たちの生き方など、あくまでもロシア貴族にとってではあろうが、魅力的に描かれている。
さらに解説を読むと現在のチェチェンとの関係などロシア周辺地域の状況を知るための参考にもなる。グルジアがなぜ英語名のジョージアになったかとかもうなずける。ここもまた民族のるつぼ。

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2021年9月14日 (火)

『ぶらり長崎 ―歴史・文学散歩』読了

豊島区の地元紹介本の一冊。長崎や椎名町の地名が由来不詳とか、地元ならではの話題が面白い。トキワ荘についての記述もあり。

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2021年9月11日 (土)

『新九郎、奔る! 8』読了

この巻はちょっと歴史寄りになって、時代が流れ始めたのでマンガとしてはやや面白くないかも。とはいえ十分に興味深くはある。北条時行の名がちらっと出てくるのはサービスか?

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2021年9月 9日 (木)

『教養として知っておきたい 博物館の世界』読了

博物館とはどういうものか的なことから入っている本なので、若干一般人からするととっつきにくいかも。たぶん対象は博物館関係者以外には著者のようなミュージアム・フリーク的な人になるのか。とはいえ厳選20館以外にも紹介されている館は多く、これからいろいろ見ていこうとする人にとっては有用な本だろう。
著者もかかわった久世番子さんによる『博物館ななめ歩き』とかネットで見られる(はず)グレゴリ青山さんの京博紹介漫画とかといっしょに読むのがいいかもしれない。
ちなみに巻末の著者紹介(トラりんと一緒の写真あり)に肩書の一つに國學院大學大学院非常勤講師も載っている。高度博物館学関係だろうか。

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2021年9月 4日 (土)

『東大寺の考古学 よみがえる天平の大伽藍』読了

「東大寺山堺四至図」、その他文献史料、そして考古学的発掘成果から創建時の東大寺と周辺に迫る本。まだまだ分からないことは多いが現状を知るための好著。

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2021年9月 2日 (木)

『岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020』読了

岩波少年文庫は子供の頃ほとんど読んだことがないと思う。ただし、収録作品のいくつかは別な形で読んだことはある。小学校の図書室になかったのか私が気づかなかったのか?刊行され始めたばかりの頃だからそれほど認知されていなかったのかも。
それはともかくこういう形でまとめてくれると、子供の本の日本における歴史が俯瞰できて興味深い。漫画ばかり読んでいた当時の私に(それも悪いことではなかったとは思うが)もっとこういう本もあるんだよと教えてあげたい。

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