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2021年10月 1日 (金)

『廃仏毀釈 ―寺院・仏像破壊の真実』読了

各地における代表的な廃仏毀釈の実態の概要がわかりやすく列挙されている。天王の隠蔽などは他であまり触れられいないので興味深い。ただしあくまでも概要であって詳細ではない。もっと個々の状況についての調査が必要なのではないか。あまり厳しく行われなかった地域の例も具体的には述べられていないので全体の傾向もわからない。これだけでは著者の民衆の意識云々の傾向はわからない。
なお、著者の「習合」と「混淆」という言葉の使われ方とか、「民衆の暴挙」云々の問題の立て方とか若干違和感を感じる。個人的には廃仏毀釈は平田派を中心とする国学者たちが明治政府の役人になって行われた暴挙だと思う。当然それにおもねる一部民衆も出てくるし、寺院側に問題があったことも過去に十分に指摘されていたはず。
余計なことまで書けば、日本で一部民衆が上からの指示に従い過激な行動をとり、さらにそれが政府などをたきつける状態になったのはこの時期と太平洋戦争前、そしてひょっとすると今、なのかもしれない。まあ、日本に限らず中国の文化大革命などもそうだし、他の革命といわれるものもその傾向は大きいと思う。

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